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2019.03.04
強制執行とはなにか
裁判をして判決が出ても相手がその判決に従わないということがあります。
相手が従ってくれなければ、なんのための判決かということになりかねません。その場合に強制執行をします。
強制執行というのは、判決が出たにもかかわらず、相手方がお金を支払ってくれなかったり、建物等の明渡しをしてくれなかったりする場合に、申立てに基づき、裁判所の力を借りて判決を実現するということです。
しかし、強制執行のためには申し立てを行うだけでなく、何らかの強制執行の元となる文書が必要になります。
この文章のことを債務名義といいます。
先ほど話した判決が債務名義の代表的なものです。
その他には裁判で話し合いがまとまった時に作成される和解調書、調停をしたときに作成される調停調書があります。
この和解調書、調停調書も債務名義として強制執行ができます。
そのほかには裁判所の手続きではありませんが、公証役場で作る公正証書も金銭の債権に限っては強制執行ができます。
問題は、強制執行を実行する際に裁判所が相手の財産を調査するわけではないことです。
財産はあくまでも申立人が調査を行い、この財産を強制執行してくれという申し立てをしなければなりません。
弁護士に財産を調べてほしいという依頼をされるお客さまがいらっしゃいます。
しかしながら、探偵事務所とは違って弁護士は相手の財産をもれなく調査するということができません。
そのため、財産調査は探偵事務所などに依頼していただき、相手の銀行の預金はここではないか、あるいは個人であれば勤務先などを特定してもらえば、そこから先は弁護士が裁判所を通じて強制執行するということになります。
判決が絵に描いた餅にならないように、相手の財産を把握したうえで裁判手続きを進めていくことが重要です。